新型コロナと退職の狭間で

このブログをはじめた時には、現職場を辞める2020年の9月までに転職活動をして、その活動の記録を残そうとしていた。

しかし、3月から新型コロナウィルス対策としての学校関係の休校や経済活動の自粛によって、その転職活動を足踏みさせてしまった。1つは運営している(といっても未収益だが)youtubeチャンネル「ひなはづチャンネル」の3月毎日動画投稿チャレンジ、もう1つは転職先…というより次の働き方をよく考えようと思いだしたからだ。

まず先の足踏みは、週に1度の動画投稿を毎日することによって、例えば転職サイトを眺める・転職エージェントとの面談をするなどの転職活動をする時間がなくなったこと。名もないYoutuberだが、視聴者の方が楽しんで頂ける動画を一つでも多く提供することで、#StayHomeからの閉塞感から解放されるキッカケになりたいと思ったからだ。またサラリーマンをしながら毎日動画投稿を1ヵ月でも続けることで、何か自信になるんじゃないかと思っての行動だった。

2つ目の足踏みは、リモートワークなど働き方を変えざるを得なくなった今、確実に経済活動が再編されると感じたことから、安易に転職先を決めても後がないと思うようになったこと。2つの転職サイトに登録したけど、募集を眺めたのは2,3日だけ。日が経つにつれて、再就職の前に"生活ができること前提"で自身のスキルアップに取り組む、なんて考え方もあるのではと思いだした。

"転職"というキーワードを頭から切り放したい意思が働いてるのは自覚できている。ただコロナをキッカケにした上の2つを言い訳にしても、今の自分の直感を信じて今後のキャリアについて動いていきたい、そういった思いが強くなっている。

 

間違いなく言えるのは、今の職場は辞める。およそ1年前に退職願を出したのだが、思い直そうと考えたことは1ミリもない。

この新型コロナによる経済活動の危機的状況から想像するに、解雇される労働力は増えるし、雇用の間口は萎んでいくだろう。そんな再就職が厳しい環境になると分かっていても「今の職場に勤めることに自分の未来はない」という思いの方が強い。

 

 

昨春に同じ部署の同僚2人と会社を辞めることを話し、先に2人を送り出して、残り1年で自分達の仕事の整理を引き受けた。

 

一方の後役に派遣社員が入ってきた時に、同僚の有休消化中に自分が入院してしまい、結局フォローをお願いして有休を短くさせてしまった。引継ぎ時から派遣と同僚はソリが合わなかったが、同僚の一時復帰で派遣社員が出社拒否したというのを聞き、先が思いやられるやら、周りに迷惑しか掛けていないやらで、健康には一層気をつけようと思った。

その派遣社員は2020年明けて退職していった後輩の去り際に、他の社員がいる中で「こんな会社辞めて正解ですよ」と発言するというトンでも行動に出た。そんなこと社員である皆が良く分かっているが、それは社内で言うべきではない。一緒に働いていた自分が「この会社に相応しくない人材。切るべきだ。」と人事に申しで、契約解除した。

 

もう一方の後役は50代男性を正社員として雇った。TOEICスコア900以上、また実務経験もあることから、辞める同僚が担っていた貿易業務を主で引き継ぐこととなる。

いずれは同僚もやっていた出荷業務、特に倉庫での出荷物のピックアップ作業もしてもらう予定だったが、腰痛持ちという理由で体力仕事を回避したいとの申し出が。また、"小規模メーカーあるある"な、他部署のメンバーが製造現場の応援に入ることもしばしばな会社なのだが、この応援に入ることも拒否の構えも見せる。

では貿易業務をテキパキとこなし、他の業務で体力仕事ができない部分の補完をしてくれるのかと思いきや、仕事は遅い・ミス多い・意欲無しのナイナイ尽くしの三重苦である。

先日、やっと私が会社を辞めることが全社的に周知された。もちろん業務の引継ぎについて辞令が通達される。それを聞いた50代オッサンは、私が担っていたこと、特にピックアップ作業の大半は私がやっていたこともあり、その負荷が自分に降りかかることについて人事に抗議を申し出た。「今の仕事で手一杯で引き継げる業務はない」、「雇用時に聞いた業務内容と違う」という主張だ。「パワハラとも受け取れる」なんて言っているそうだ。

辞めていった私の同僚と私の仕事は、これから雇う者に引き継がせることが前提の採用で、"雇用前に業務内容は伝えていて当たり前"というのが人事の主張。恐らくそうだろう。「聞いてない」なんてことはないだろう。

また、50代オッサンの履歴書には"健康状態 良好"の旨が書かれており、出荷作業があることも伝え、本人もそれを快諾しての雇入らしい。雇って欲しいと思っての経歴詐称行為としか思えない。

 

 

"勝ち負け"という話をしても仕方がないことだが、現時点では何がどっちに転んでも会社の負けだ。

私は退職願を出した際に、社長に、「とんでもない長いスパンでの退職希望であり、我儘と受け取られても仕方がないと自覚している。だから、仮に引継ぎが早期に完了した場合は話し合いをした上で退職日を前倒ししても良い。人件費という損失を与えるわけにはいかないと考えている。」と提示していた。他にも組織改編なども提案した。

しかし会社は、早期の人員補充もせず(できず)、私が辞めるという事実を早期に会社全体に周知せず、また、補充人員にもその説明をしなかった。

人事が考えていたことは薄々わかっている。私がやっていた業務は他の従業員がやりたがらないので、更なる芋づる式離職を恐れて私の退職を隠したかった。採用時に幅広い業務内容を条件にすると募集が来なくなる。こんなところだろう。「辞める人間がいて、それを引き継ぐようになる」とストレートでシンプルな補充の仕方で良かったのに、それをしなかったことが仇となってきている。

50代オッサンが辞めても人手不足、残っても高い買い物。私の出社は残り3ヵ月余り。引継ぎという面ではほぼ打つ手と時間が無くなってきた。

 

私としては、会社に1年以上引継ぎに猶予を与え、早期引継ぎが実現できれば早々に身を引いても良いと破格な条件を出していたのにこの状況なので、呆れて何も言えない。

いや、偉そうだ・意地汚いと思われてもこう言おう。「今の状況、第三者視点で楽しめてます。」

 

状況を楽しめている私の一人勝ちだ。

 

 

このコロナ禍において、これから中途採用をする企業は、資金的体力がある、事業拡大を検討している、経済復旧後の未来を考えているなどという、将来期待できる会社ではないかと想像する。だから今の不安定な時期に転職を検討するのは、ピンチではなくチャンスだと思うようにした。

それに先に書いた通り、働き方は激変するだろう。今まで価値を作り続けていた仕事が、価値を生み出せなくなる可能性だってある。経験してきたことが転職先で役立つなんて保証がないのだ。

学校関係は5月末まで休校を延長した。企業活動も更なる変化が訪れるだろう。そう考えた時、今の会社に在籍しているあと5か月で、じっくり慎重に将来を見極めるべきだと思う。半世紀に一度と呼ばれるような大厄災は、仕事人生最大の山場となっているのを実感している。

生き残り、本当に勝たなければならないのはこれからだ。